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こうやって俺を心配する葉山と、
自分勝手に俺を乱暴する葉山は、
別人なのでは?と錯覚してしまう。
「もう本当に襲ったりしないから、俺の事でストレス感じないで欲しいんだケド?」
「…………」
今にも飛びかかりそうな瞳で言われても説得力なんて、ない。
「まじですみれと付き合ってたんだ? 俺がすみれに危害を加えるんじゃねーかって、耐えてたらしいな」
「――誰からソレを?」
勿論、付き合ってるのもすみれの作戦なんだ。
お前の推薦を取り消す為の。
すみれの罠に簡単に引っ掛かって、あっさり身を引くなんて。
「さぁね。でももう携帯もパソコンにも、データは残ってない。約束する」
「分かった……」
そう言うと、葉山の目から反らした。
まだ葉山の目は俺を見つめているのが分かり、居心地が悪いので、胸元の服を握る。
「もう、話してもくれねーと思った」
「…………」
「本当は、トイレで、裸にして、後輩にもすみれにも、見せつけてやろうって思ってた」
あの日、すみれに見つけられ、後輩に見られた事を思い出した。
「俺、駄目だわ。自分のモノにならないなら、追い詰めて追い詰めて、お前を壊してしまうから」
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