第2話

25/36
前へ
/38ページ
次へ
こうやって俺を心配する葉山と、 自分勝手に俺を乱暴する葉山は、 別人なのでは?と錯覚してしまう。 「もう本当に襲ったりしないから、俺の事でストレス感じないで欲しいんだケド?」 「…………」 今にも飛びかかりそうな瞳で言われても説得力なんて、ない。 「まじですみれと付き合ってたんだ? 俺がすみれに危害を加えるんじゃねーかって、耐えてたらしいな」 「――誰からソレを?」 勿論、付き合ってるのもすみれの作戦なんだ。 お前の推薦を取り消す為の。 すみれの罠に簡単に引っ掛かって、あっさり身を引くなんて。 「さぁね。でももう携帯もパソコンにも、データは残ってない。約束する」 「分かった……」 そう言うと、葉山の目から反らした。 まだ葉山の目は俺を見つめているのが分かり、居心地が悪いので、胸元の服を握る。 「もう、話してもくれねーと思った」 「…………」 「本当は、トイレで、裸にして、後輩にもすみれにも、見せつけてやろうって思ってた」 あの日、すみれに見つけられ、後輩に見られた事を思い出した。 「俺、駄目だわ。自分のモノにならないなら、追い詰めて追い詰めて、お前を壊してしまうから」
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

122人が本棚に入れています
本棚に追加