第2話

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「お前、馬鹿だろ。お前に酷い事したんだ! 受けて当然の報いだ! お前がそんなに、そんなに優しいから!!!」 ――俺はいつまでも、お前を忘れられねーんだ。 お前が堪らなく、欲しいんだ。 その優しさに、すがり付いてしまうんだ。 「――やっとだね、葉山」 『葉山』 そう呼ばれ、目を見開いた。 「やっと、俺の言葉は、君に届いたんだね」 そう言うと、泣き出しそうな顔で笑った。 「俺は、怖くて言葉が君を否定することばかりだったけど。でも俺は、君に自分の気持ちを聞いて欲しかった。ずっと心に訴えていたんだ」 「絢斗……」 「君がバスケ部で頑張っていた事だけは、知ってるから。だから次のテスト、結果を出して。 俺に恥、かかすなよ。 俺に赦されたいなら、尚更」 そう言われ、俺は頷いた。 絢斗の言葉を無視して、自分の気持ちだけ叫んでいた俺は恥ずかしくて情けなくて。 「じゃ、もう良いよ。早く出ていかなきゃすみれ達が戻ってくる」 絢斗は一度も窓辺から離れず、俺もドアから動かない。 それが俺たちの距離。 それが今からずっと、俺たちの距離なんだ。
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