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エリカの視界にユリが入り、手を差し出してきた。
よろしくの意味で差し出された手にエリカは答えず片方のイヤホンを外した。
「ごめん。そーゆーのいらない。
ダチとかそーゆー綺麗事だけなものいらないんだわ。まぁありがと」
無表情のまま言った。
エリカが手を握ってくれないにも関わらず、手を出したままのユリはニカっと笑った。
「うちは、あんたと友だちになりたいの。
どお?うちと組まない?ボッチ同士。
うちあんたのこと捨てんから。」
「無理」
エリカはイヤホンをつけ直し教室を出ていった。
ユリは、まだまだチャンスはある!と思いながらエリカの方を見ていた。
すると、ドアの前でエリカが立ち止まり振り返りながら
「人の喧嘩を無言で見るな。
盗み見はいけない事だ。」
そう言って再び歩き出した。
「気づいてたのか。ハハハ
ますます興味が沸いてくるわぁ。
うちは諦めんよ。」
ユリは先ほど机に置いた鞄を持って自分の席に着いた。
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