3人が本棚に入れています
本棚に追加
「しっし死神・・・」
「三木川だっつうの!!」
静かに柄に手をかけ、刀を取り出し、押し入れにつきつける。
「出てこい。出てこなくてもいいけど・・・」
「たっ助けてくれ!!頼む、たの・・・」
「むーりーだ、こちらも仕事、あんたも仕事。あんたの人生も仕事もこれで終わりだが来世でも頑張ってヤクを売り続けてくれ。」
勢いよく刀を押し入れの引き戸と共に突き刺す。男の声は止み、刀が嬉しそうにきらりと光った。
「また、つまらぬものを刺してしまった・・・・なんてな」
三木川の声は暗いアパートに明るく響いた。
ボロアパートを出ると、階段下で女が待っていた。年は…10代半ば。白のスウェト。白髪まみれの髪。髪はボサボサでその年とはかけ離れている格好。
「おう、何してんだ」
三木川の言葉にだるそうな垂れ目をあげ、女は一言、ぼそりと何かつぶやく。
「…なんつった?」
聞こえなかったのにムカついたのか、彼女はそのままだるい目をふせた。
「もういい」
「あっそ」
近衛河。こいつについてはこれしかしらない。三木川にも女の素姓など興味はないので、特に聞いたりはしない。
「次、どこ?」
女は地面と睨めっこしながら、ボソッとつぶやく。
最初のコメントを投稿しよう!