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三木川641
それが、三木川の名前だった。世界は番号によって区切られる。医者なら700番台、警察なら100番台。この世に生まれついてから、番号は決められる。人手の足りない職業に勝手にきめられ、もし、その職業に就けなければ、そこには「死刑」の二文字が踊る。
名前はなく、ただ名字のあとに番号をつけ、普通にくらせるが、職業は既に決まっているので。ある意味仕事には困らない。
そんな、世界は何故か平和に過ぎていく。
「私は、354。サラリーマンの川島です」
男はそういい、IDを三木川に見せた。
「どうも、職業641。三木川だ」
「いやあ、良かったですよあなたがつかまって。50以下の人なんてそうそう見つからなくて」
川島はそう言って、指を組むと、目つきが変わった。
「で・・・仕事の方は?」
「1899大野部、1878金沢、1882、小町、そして最後にリーダ格の佐藤。番号1870」
三木川がそう言うと、川島は小さなパソコンを取り出し、調べ始める。
合致したのか、ため息ともとれる息を吐きだし、笑顔を作った。
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