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(あれ?ここ…どこだろう…)
少年は目を覚まし、目の前に広がる、見慣れない景色を、眺めている。
(どこから来たんだっけ…)
少年は何気なく考えを巡らせる。頭が覚えてる、「人にはそこに行くまでに辿るルートが存在する」という常識に従い、その知識の範囲で、考える。しかし…
(あれ?どこから?どこに?あれ?あれ?)
どこから来たかわからない、そもそも、自分に戻る場所なんてあるのだろうか。そもそも、この頭に染みついている常識は、どこで覚えたものだったろう。いや、この、「常識はどこかで覚えるもの」という常識そのものすら、本当なのかわからない。
そして…
(あれ?そもそも、ぼくは…誰なんだ?)
自分が誰なのか、自分がどこから来たのか、自分はどうしてここにいるのか…自分がここに存在する理由が、全く思い出せなかった。
感覚としては、まるで、その瞬間から、自分という存在が始まったような、そんな感覚だった…
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