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所変わって城下町、ここに先ほどの女性の姿があった。
「ハァ…疲れたぁ~...」
「疲れたのはわかるけどはしたないわよ、レイアったら!」
強大な緊張感から解放された私が、往来のど真ん中ということもきにせず伸びをしていると、聞き覚えのある声に注意される。
「うぅ~…、でもセシリア...」
「ほら、そんな情けない声出さないの!『史上最年少で女性初の王直属兵団入隊!』って人がそんなじゃ聞いて呆れるわよ」
この話しかけてきた女性はセシリア、私の幼馴染でこの城下町で生まれ育ちよくここいらを駆け回った仲で、私が唯一気が許せる相手だ。
そして彼女が今言ったとおり、私は女性初、かつ史上最年少で何万といる全ての軍人達が憧れ、そこに入るために切磋琢磨しあうが、それでも一握りしか入団を許されない、そんな最高に誉れ高い王直属兵団に入団を果たしたのだ。
「そんな栄光もう過去の事ですよ...。その証拠に王直属兵団なのに地方にいかされるんですよ!左遷ですよ、左遷!」
そう、私が王直属兵団に入団してからはや二年。
特に大きな内乱や戦争もない現代ではその力を発揮する場もなく、活躍や大功を挙げたわけでもない私のことなどすでに誰も覚えていないだろう。
今となっては本当に過去の栄光なのだ。
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