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「左遷なんて言い方、お偉方に見つかると地方じゃなくてあなたのクビが飛ぶわよ?」
「そう言われましても…」
私がセシリアの叱責も素直に納得できないのは当然の事だろう。
先も述べた通り私は軍人であり、国に仕える、その中でも王のおそばに仕える事こそが最高の誉れと考え武芸や教養を身につけたのだ。
その実力を存分に発揮することなく王の元を離れ、地方の領主に付かなければならない。間違えてもそんな人間の為に努力したのではない。
しかも監視の理由が気にいらない。
先代の領主がお亡くなりになり、その先代の20代半ばの息子が領主になったらしいのだ。
しかしこの息子、ずぼらというか、大雑把というか、とにかくそんな性格らしい。
定期の報告書は送られて来るものの、「特になにもありませんでした。」とまるで詳細を書くのをめんどくさがった学生の日誌の一言コメントみたいな文で領内の細かい状況が伝わって来ないものなのである。
そんな会う前から印象最悪の野郎のせいで王はもちろん親友のセシリアとも離れ離れになると思うと憤りを隠しきれない。
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