伊井友人の憂鬱

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大丈夫とは言ったが、このままでいるのもマズイよな。 片っ端から手ぇ付けていけば、いつか終わるだろう。 まずは床に散らばってる漫画から………んん!? 「おっ! 懐かしいなこれ!!」 手に取った漫画はしばらく読んでなかったやつだ。 確かこの巻はスッゲー面白い所があった筈だ! 少しだけ…その場面だけパラ読み程度で終わらせよう。 …………………………… ……………… ……… 「っははは! やっぱ最高だわこれ!」 少しだけと言いつつ、結局一巻読みきってしまった。 で、こうなると次の巻を読み出すのはお約束だろう。 案の定、俺は次の巻を手に取った。 もう解ると思うが、俺は昔から片付けが苦手だ。 「あー、そうだそうだ。ここでコイツが出てくるんだっけなー!」 「何やってんだよ兄貴。」 「…んぁ?」 突如聞こえた声。 見るとジト目の達間がドアにもたれかかっていた。 やべ、見つかった。 「部屋掃除するって言ってたくせにサボってんじゃねーよっ!」 「や、ちげぇよ。これはあれだ、いらねぇ漫画を厳選してたんだw」 「嘘つくんじゃねーっ! どう見ても思いっきり寛いでたじゃねーかっ!」 あーうるせぇうるせぇ。 いいじゃねぇか、家にいるときくらいは好きにさせてくれよw ったく、こいつの口うるせぇところはお袋似だな、間違いねぇ。 で、その達間は偉そうに『しょーがねーなー』なんて言いながら部屋の中へズンズン入って来た。 …あ、床にダンベル落ちてら。 達間は下を一切見てねぇから気づいてない。 大丈夫だと思うけど一応、踏んづけたり転んだりしねぇように一言声かけとくか。 「おい達………あ…」 遅かった。 予想した通りダンベルの持ち手の部分に足を引っ掻けて、でかい音をたてて派手に転びやがった。 「いってぇぇーっ! なんだよっ! なんでこんなとこにダンベルなんか転がってんだよっ!!」 おーおー、キレてるキレてるw 達間は八つ当たり気味に喚いて、ダンベルを拾い上げようとした。 しかし……… 「はっ!? んぐっ…! このっ…!!」 ダンベルを掴んだまま持ち上げようとしねぇ。 何やってんだあいつw
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