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『あにき、あにきー!!』
『チッ…俺から離れろ!! 弱っちい癖に、近づくな!!』
『…っ! そんな…あにきぃ…。
うぅっ…グス…あにきぃ…。オレ…あにきと、仲良くしてぇよぉ……ヒック』
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――♪~♪…
「ぁ、に………き?」
朝、スマホのアラームで目が覚めた。
なんか夢を見てたらしく、少し寂しい気分だ。
なんの夢を見てたんだろうな?
悲しい夢ってのは何となく覚えてるけど…。
ま、いっか!
「ふぁーぁ…」
あくびを1つしてベッドから降りると、冬の冷たい空気に当てられて一気に目が覚めた。
部屋の中とはいえ、やっぱり寒い。
もう一度布団に潜り込みたい気持ちをグッと抑えて、とりあえず準備だ!
今日は一月一日。
昨日、兄貴の部屋の掃除を手伝う代わりに、一緒に初詣に行く約束をしたんだけど、兄貴のやつ! 元から一緒に行くつもりだったとか言いやがった!!
くそっ! 誘うのに俺がどれだけ勇気出したと思ってんだっ!!
…それはそうと、俺と兄貴の友達も途中で合流する予定だから待ち合わせの時間に遅れないようにしねーとなっ!
「おはよー…。あれ? 兄貴は?」
着替えて下の階に降りるが、リビングには父ちゃんと母ちゃんしかいねー。
テーブルには正月らしくお節や餅が並んでる。
「えー、友人? まだ降りてきてないから寝てるんじゃない?」
自分の席についた俺の前に雑煮と焼いた餅を置きながら母ちゃんは言った。
兄貴…相変わらずルーズだな。
…とりあえず腹が減ったから、お節と雑煮と餅を5個食った。
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「ごちそーさん。」
結局、俺が食い終わった今も起きて来ねー。
兄貴、もしかして俺との約束忘れたのか?
それとも、覚えてるけどすっぽかす気でいるとか…?
いやいや、それはねーな。
だって約束してるのは俺だけじゃねーし、いくら兄貴でも友達との約束は破らねーだろう。
てことは、やっぱりただの寝坊か。
チッ、仕方ねーなっ!
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