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洋「大丈夫…、じゃないよね。
怖かったよね。
もう大丈夫だから。
すぐお兄さんも来るからね。」
ふわりと自分のブレザーを鈴の肩に掛けながら声を掛ける。
鈴がきゅっとブレザーを握り身体を隠す様にしたのを見て、そっと頭を撫でる。
洋「我慢しないで。
我慢しなくて良いんだよ。
怖くないはずがないんだから。
泣きたいなら泣いて良いから。
俺達の目が気になるならカーテン締めるよ?」
そう優しく話し掛ける洋次の言葉に釣られ、咳を切ったように泣き出す鈴。
ポロポロと大粒の涙を零して、優しく頭を撫でる洋次の手に釣られるようにそのまま洋次にきゅっと抱きつく。
子供のように泣きじゃくる鈴の様子を見ていると、廊下が騒がしくなった。
――バンッ
蓮「鈴……っ!」
聖「鈴ちゃん!」
浬「大丈夫ですかっ!?」
太「無事かっ!?」
誠「……っ!」
本当に急いで走ってきたのだろう。
みんな息を切らしていたし、着替え途中のようで、いつものようなきっちりとした制服の着こなしでなく、乱れていた。
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