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――~♪~~♪
涼「ん…。」
ベッドサイドのテーブルの上で、朝の訪れを知らせるケータイ。
布団を被ったまま手を伸ばし、アラームを止める。
そのまま猫の様に伸びをして、ふぅと息を吐く。
カーテンの隙間から零れる光は優しい。
もぞもぞとベッドから這い出てカーテンを開け、窓も開ける。
途端部屋の中に入ってくる風は爽やかな新緑の香り。
5月のGW明け。
新歓のあの日からもう1か月近く経った。
――ガチャ
鈴「あ、おはようございます!
涼介様!」
涼「おはよー。」
顔を洗おうとジャージ姿のままリビングに出て来た俺に対し、鈴は既に制服に着替えその上にエプロンを着けていた。
もうすっかりこの光景にも慣れた。
鼻腔を擽る食欲をそそる匂いに今日の朝飯と昼飯のことを思い描きながら洗面台へ向かう。
鈴は料理が上手い。
そう言うと本人は否定するが、上手い。
いつも洋次や流嘉と一緒に昼飯を食うのだが、鈴が作った弁当はいつも取り合いになる。
正直、朝昼晩と鈴の手料理を堪能出来る俺は恵まれていると思う。
そんなことを考えながら、顔を洗い、ダイニングに向かえば、鈴は既に席に着いていた。
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