519人が本棚に入れています
本棚に追加
洋「あ、おはよー!」
涼「よう、久しぶり。」
連休明けの教室というものはいつもに増して賑やかだ。
連休中の出来事を話したり、お土産を渡し合ったり、ほのぼのとした平和な空気が流れている。
涼「流嘉もおはよう。」
流「…はよ。」
そう言うとほんのりと頬を染めてぷいと顔を逸らす。
未だにこういうのには慣れないらしい。
普通に話すのは大分慣れてきたようで、最近では会話が弾むことも多い。
洋「あ、鈴ちゃん、父が先輩とお父様に宜しくお伝え下さい、って。」
鈴「はい、畏まりました。
先日のパーティーで初めて直接お会いしましたが、素敵なお父様ですね。」
涼「…パーティー?」
洋「うん、休み中に父さんの誕生パーティーがあったんだ。
そこに鈴ちゃん達も来てくれたんだよ。
あの時の鈴ちゃん、ほんっと可愛かったよ。」
鈴「い、いえ…、そんなことは…。」
そうだった、こいつら金持ちだった。
普段ずっと一緒にいるから忘れてたぜ。
洋「ほら! 涼介達も可愛いと思うだろっ!」
涼「のわっ!」
突然目の前にスマホの画面を突きつけられて驚く。
画面に写るのは、少女。
純白の膝上丈のふんわりとしたドレスには、ふんだんにフリルとリボンがあしらってあり可愛らしい印象だ。
けれど胸元から肩に掛けてはざっくりと大きく開いていて、大人っぽい色気もあった。
画面越しにもドレスに使われているレースや、彼女が身に着けるアクセサリーには細かな装飾が施されているのが解る。
いつもストレートの髪は緩く巻かれ、ハーフアップにされているようだった。
最初のコメントを投稿しよう!