君の背中に寄り添った彼女が消えた

未練

ブログは誰にも見られないようロックがかかっていた。
それを、適当に番号を入れていったら見れたそうだ。

「これ…全部、喧嘩とか…茉美の本音か？」

美波ちゃんは静かに頷いた。

「那秋くんはあまり知らないよね、茉美、本当はネガティブで、弱音ばかり吐く子だったんだよ」

「…でも、俺の知ってる茉美はいつも前向きで…むしろ、マイペースすぎるくらい後先考えない奴で…確かに、喧嘩したりすると、よく思ってること言われたりするけど」

「茉美の弱音だよ。親友の私たちにすら言わなかった。時々、こんな私治したい!って言ってたけど、これが本当の茉美なんだよ」

誰にも言えない。
悩み事はいつも、一人で全部背負い込んでしまう子だから。

後に、弟くんから茉美が時々泣いている所をみかけたりした。という話も聞いた。
茉美は、みんなが思ってるほど強くない。

たったそれだけのこと。
ただそれだけなのに、なぜ今知るとこんなにも、胸が苦しいんだろう……。