“大丈夫”

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また週末がやってきた。 季節は秋になって、今日もまたガソリンスタンドにやってきていた。 那秋は念入りに洗車して、車内の掃除をしていた。 俺も同じように、洗車したが、明日雨なんだよなー。 それでも洗車する那秋は、相変わらずこの時ばかりは嬉しそうだった。 車に乗るのが大好きな茉美ちゃんは、那秋とドライブするのが日課で、いつも楽しみにしていた。 それは那秋も同じで、神奈川に行く前には必ずガソリンスタンドには寄って、綺麗にしていた。 自慢の車を自慢の彼女を乗せて、あてのないドライブが楽しいと、いつか那秋は言ってたな。 洗車を終えて、ガソリンを満タンにすると那秋はふと、我に返ったように寂しそうな顔をした。 「どこ行く?」 そこで気持ちを盛り上げようと、笑顔で那秋に声をかける。 「……横浜行くか」 「え?今から?」 思わず苦笑いが出た。 「なんか、横浜行きたくなった。」 那秋の瞳が少し輝いて見える。 「今から行っても夜景とかあんま綺麗じゃないぜ?12時過ぎたらほとんど消えるんだろ?前言ってたし」 悠里ちゃんたちと話しをしたあの日以来、神奈川には行ってなかった。 那秋が、辛くなる思い出ばかりの神奈川。 それほど、お前にとってあの街は幸せの証でもあったんだよな。
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