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「……でも、本当に後悔ばかりでどうにもならないんだ……サプライズも……今月で出来るはずだった」
茉美ちゃんがブチギレするほど
誕生日にこだわった意味を、ブログで知った。
“誕生日は、愛してる人からオメデトウを言われ続けることが夢なの”
たったそれだけのことをしてやれなかった。
それも後悔ばかりで、悲しくなるばかり。
計画していたサプライズは、茉美ちゃんが最も行きたがっていた場所だ。
「海外旅行だよな?」
鼻水を啜りながら、那秋は頷く。
『みてみてー!海外の結婚式ってこんな綺麗らしいよ!憧れるねー』
そう言って、ウエディング雑誌をやたら見せてきていた。
なんだこいつ、そんなに結婚式したいのかよ。
それ目的で結婚する気か?
スマホを弄っている最中に邪魔をされて、少し苛立っていた時。
茉美はニコニコしながら海外旅行するならうんたらかんたらと語っていた。
まるで結婚を催促されてるみたいで、プレッシャーにも感じていたのは否めない。
彼女の将来の夢はウエディングプランナーだから、いろんな雑誌を見て夢を膨らませていただけなのだろうけど、俺にとっては迷惑な話だった。
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