捕らわれた彼女

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「……でも、一度くらいさ…」 「?」 「……見てみたくなったよ…」 「何を?」 那秋は苦し紛れに笑みを浮かべた。 「……幽霊……」 「はぁ?なんで?」 呆れたようにため息が零れた。 これだから病人は扱いづらい。 「幽霊なんて見て得するもん何もねぇよ」 「……それでも…会いたくなったよ…例え、大嫌いなお化けでも、茉美の幽霊なら…怖く無さそうで……幽霊と知らず知らず…抱き締めてるかもしんねーし……」 触ることが可能であればの話だろ? 「……まぁ…茉美が化けて出てきても…信じねぇ…けど」 「…結局、お化け嫌いなのなw」 「…あたりめぇじゃん…茉美が化けて出てきても…俺が見えなきゃ……意味ねぇし…だから、例え隣にいたとしても、知りたくない…悲しくなるだけだから」 あぁ……傍にいるだけじゃ お前にとっては満足いかねぇーもんな。 茉美ちゃんが笑っている姿を見ない限り…。
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