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寝息を立てて寝始めた那秋を見届けて、重い腰を上げた。
さてと、帰るか。
那秋の部屋を出ようとした時、異様な臭いが鼻を掠めた。
焦げ臭さと、ガソリンの臭い。
それに、この違和感。
振り返った先に、戦慄が走る。
真っ黒な人影が天井からぶら下がっている。
それも、顔が半分焼けた女の子が血を流して、恐ろしい形相で那秋を見つめている。
“茉美ちゃんが死んだ時と同じ格好”をした女が、ブツブツブツブツ、呟いている。
アイタイ……アイタイ……
…アイタイ……アイタイ…アイタイ……アイタイ…
なんなんだ…?なんだこいつは…
あまりの気味悪さに、俺はそこから動けなかった。
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