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「お、女が死んじまった」
「えーっ!」
吃驚した船頭が中を覗くってぇと、女が蒲団の上に仰向けになって目を見開いていた。
「し、し、死んでる」
船頭は、戦きながら後退りした。
「発作みてぇに突然、胸元を押さえて、……どうしょう?」
女の処理に困った亀吉が船頭に尋ねた。
「どうしょう? と仰られても……」
「金なら幾らでもやるから、後の事は頼むよ」
気の小せい亀吉は、金に物を言わせると、女の後始末を船頭に頼んだ。
その後、船頭の姿が消えた。
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