呪い舟

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「気色悪いな。何笑ってやがんでぃ」 「この舟は、呪われてるんで、進みませんよ」 「今、なんて言った?」 「殺された船頭の(たた)りですよ」 「な、なんだと?」 「あっしをお忘れですかい」  船頭はそう言って振り向くと、頬被りを外した。  そこにあったのは、死んだ女の処分を頼んだ船頭だった。 「お、おめぇは、あの時の船頭じゃねぇか」
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