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彼はカツカツとおとを立てながら
装飾のすくない廊下を歩き、一番奥の部屋の扉の取手に
手をかける。
そして、手首をひねって、開けようとする…が
「おかえりいいいいいいいいいいいいいいいい」
大きな女性の声とともに、扉は大きく開き、
彼はとっさに、取手から手を離して
外開きの扉にぶつからないように、数歩さがった。
そして、胸元に重い衝撃が。
「おかえり!!!」
胸元をそっとみると、
肩までの赤い髪に、綺麗な透き通る青い瞳をした、
少し小柄なかわいらしい女性が、
彼に抱きついていた。
「ただいま、アリア」
彼はほっとしたような声で女性…アリアの名前を呼ぶと、
被っていたフードを脱いで顔を見せる。
銀色の紙に、黒い瞳。
年齢はアリアと同じくらいの容姿。
少し長めの髪の毛が彼の静かな雰囲気を表している。
「おかえり零、待ってた」
彼…零は静かに頷いた。
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