明治二十七年

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 母親に助けを求め、泣くまで側に居てくれました。  そして泣きやんだ私の背中を二回くらい叩き、その後放置されました。  まあ、落ち着いていたし、いつもの事だったので気にしませんでした。  それより気になったのは、「何故勝手に涙が出てきたのか」です。  「大丈夫?」  「うん………」  「………」  「………」  「………」  「………ねえ、何で勝手に涙が出てきたの? 教えて」  私は直感で、母親は何か知っているいう確信があり、そう聞く。  「教えない」  笑顔で即答しました。けれど予想はしていたので、イラッとくることなく、私も笑顔で言いました。  「何で?」  「気にするな」  それだけしか言わない母親にこれ以上何も聞き出せないなと判断し、諦めます。  「後日教えてよ!」  嘘です。諦めてません。覚えとくき満々です。  「分かった。今度教えて上げるよ」  それを聞いて、私は自室に入りました。そして近場に落ちる雷を聞きながらこれを書いています。  ─終わり─
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