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◆◇◆◇◆
空に眩い光が入ったーー
外にいるものは誰もが空を見上げていた。
「大変、流乃様!!」
「どうした?幸」
仏頂面の忍、幸が珍しく血相を変えている。流乃は雑誌を読む手を一度止めて幸の方を見た。
「空に不吉な光が……」
「……行ってみよう。案内してくれ」
流乃は短く答え、腰を上げる。
「どうした?面倒事か。流乃、手ぇ貸すぜ」
刀を抱いたまま、壁にもたれ掛かりあぐらをかいていた男が流乃に軽い口調で話しかけてきた。
端から見たら寝ているようにしか見えないが流乃たちの動きに気付いたということは起きていたということだろう。
「いや、いいよ。オレと幸だけで。実之介は寝ててくれ」
柔らかな笑みを浮かべ返した流乃は「さぁ行こう」と幸に声を掛けてその場をあとにした。
「あそこです!!!」
幸に案内された場所には信じられない光景が広がっていた。
まるで隕石でも落ちたかのような大きな穴ーー
そして破壊されてへし折れた周辺の木々たち。
「幸、オレはここに小規模だったけど林があったって記憶してたんだけど」
「ありましたよ。だけどキレイさっぱりなくなってるんです!」
困ったように頭をかく流乃の記憶は間違えではないと幸は力強く頷いた。
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