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「こらぁあああああッツ、赤沢ぁあああああああッツ!!!!!」
「……やべ、見つかった……!!」
響き渡る怒号に赤沢と呼ばれた少年は面倒くさそうに身体を起こした。
「見つかった!じゃない。貴様俺がどれだけお前を捜したと思ってるんだ!!!!」
「先輩、俺は今暇をもて余すのに忙しいんです。用事ならあとにしてください」
「………!!!!ふざっけんなぁあああああッツ!!!!!!!」
赤沢のふざけた返事に先輩はマジ切れしました……
無理はないけど……
「昼イチで練習試合と言っただろうが……なぜ来ない?!!」
「そうでしたっけ?」
「朝から何度も言っただろ!!!!」
「わりーけど、聞いてませんでした。全く」
全然悪びれた様子もなく、赤沢は答える。案の定、先輩はわなわなと拳を震わせていた。
「それはいいからとにかく来い!お前が来なけりゃこのままじゃ負けてしまう!!!!!!!」
「……負ければいいんじゃね?どうせ弱小なんだしよ」
「なんてこと言うんだぁぁああ!!!!
ーーじゃなくて……」
先輩、キレようとする心を必死に押さえ込み、赤沢のご機嫌とりにかかります。
「あとでうまいもんご馳走してやっからさぁ!!!
あとあとお前が楽しみにしてたアレ、完成したから見せてやんよ!!!!」
先輩は精一杯の満面の笑みで赤沢にそう言った。瞬間、赤沢は目を輝かせる。
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