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「先輩、んなことぁどうでもいいんだよ!!早くあれ見せてくれよ!!!!」
「……あ、あーわかったわかった!落ち着けって準備するからちょっと待てって!!!!」
「じゃあなお前ら!!次会うときはもうちょっとぐらいマシな動きするようになれよっ」
「ま、待ってくれ!」
先輩を追いかけて去ろうとした赤沢の背中に審判が声を掛けてきた。赤沢は少し意外そうに振り返る。
「……今の動き………ただ者ではなかった……君は一体……!!?」
「大げさっすねぇ、まーー俺が強いってーことは否定しないっすよ!!」
審判の驚きように苦笑はすれど照れはしない。それは赤沢が自分が強いということに絶対的な自信を持っていることが窺える一言だった。
「んじゃ!!」
それだけ答えるとポカンとする連中を無視して赤沢は既に行ってしまった先輩を追いかけていく。
◆◇◆◇◆
さてここは場所が変わって先輩や赤沢が住む学生寮である。
その地下に先輩所有のその場所があった。
「相変わらずここはオイル臭いっすねぇ」
「それがいいんじゃないか!!!……得体の知れないものを喜んで食べる味覚破壊者のお前より全然いいわ!!!!!」
「ああ、フルーツ焼きそばパンごちになってまーす♪」
赤沢は先輩にさっきの約束を一つ、既に叶えてもらっていてそれが今食べている『フルーツ焼きそばパン』といういかにも不味そうな惣菜パンだった。
他にも『うめー棒さばみそ味』や『黒い雷梅サワー味』など赤沢の注文したものの袋には他人が理解出来ない美味さのものしか入っていない。
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