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それに比べれば自分の趣味がまともだと先輩は言いたいのだろうが先輩は先輩で実は凄い人なのだ。
剣道部のキャプテンよりこっちの方が絶対向いていると赤沢は常日頃から思っている。
そういえばまだ肝心なことが伝わっていなかっただろう。先輩の趣味とは発明品の開発である。
しょうもないものから本当に凄いものまで自力で作ってしまう先輩は赤沢にとっては異質の天才に見えた。剣道の腕は弱いのに…………人は分からないものだと感心する。
「……で、例のものなんだが……」
「うんうん!!!!」
先輩は大きな包みで覆った機械らしきものの前でわざとらしくもったいぶった。
中身は分かっている。
赤沢の頼んでおいた“アレ”だ。
“アレ”はどんなに時代が素晴らしく発展しようと人類に『魔法科学』が生まれようと成し得なかった快挙的な発明品。
「“タイムマシン”だッツ」
「おおーーーー!!!!!!」
感動の瞬間だ!
だって人が時空を行き来する反則技を使えるならそこれこそ快挙だろ!!!!!
「…………ん?」
だけど先輩が自信満々ではいだ布の下にあったものは見た目小ステージというか服屋の試着室というかそんな素朴なものだった。
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