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◇拾四◇
飛行訓練生の東郷ゆりかと、
教官の鳥居を乗せたサイクロン
「MTF4 マイクロホーク」が、
弥栄学院の空母「伊勢」の
第一カタパルトへと
タキシングしていた。
カタパルトにつくと、
ゆりかは緊張した面持ちで
マイクロホークの翼を広げる。
シューッ!
カタパルトのシャトルが
サイクロンの方に寄せられ、
発艦士官を務める鍋島直機が
ホールドバック・バーを持って
機体の下に潜りこみんだ。
直機はバーを機体前輪に差し込み、
それからもう一方の端を
カタパルトに固定した。
その後、直機の誘導で
ゆりかはサイクロンを
少しだけ前進させる。
ガチャ
直機は機体ノーズギアの
ランチ・バーが
シャトルに接続されたことを
確認すると、
小走りに機体を離れた。
ウィーン
サイクロンの後方で
デイフレクターがせり上がる。
梅雨明け前の伊勢湾上空は、
今日もどんよりと曇っていた。
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