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「くくくっ、くははははっ!!」
素晴らしいっ!
素晴らし過ぎる!
ああ、自分の才能が恐ろしい。やはり我が輩は天才だったのだ。
発想の転換、コロンブスの卵。世界を先駆け、栄光を掴むためにそれが必要なのは誰もが知っている。
しかしだ!!
実際にそれを実行できる人物が世界にっ! いや、宇宙にっ!
いったい何人存在するというのだ!
北を見るがいい、北極の氷が溶け出し世界で騒がれているが誰もその解決策を知らない!
南を見るがいい、南極の氷が……ええい! なんだその、同じだ!
誰もが皆、地球の滅亡だ、世界の終わりだ、家庭の崩壊だ、小遣いの減額だと騒いでいるくせにこんな簡単なことにも気づかない。
そう、まさに灯台モトクラシー!
これに気づいた我が輩こそが完璧で最高で最強で無敵で、えーと、あれだ、スゴいのだ! 天才なのだ!
だからこそ――――
「てんちょーー!!」
「ぬおっ! な、なんだベンジャミンくんか、驚かせないでくれたまえ」
横にはパートその1桜庭ベンジャミンが鬼の形相、いや般若の形相で我が輩を見ていた。
彼女はなかなかに可愛い容姿をしているが、どうにも性格がいただけない。短気、つまりキレやすいのだ。
まったく、パートのくせに店長の我が輩、いや、天才の我が輩に怒鳴り散らすとはけしからんやつだ。
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