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我が輩が店内にある《幼女にエアコンを持たせてリア充に投げつけようキャンペーン》のコーナーに行くと、そこには確かに一人の幼女がいた。
真っ白のまさに純白という言葉を正しく表現したワンピース。
日差しを遮るように被った麦わら帽子。
麦わら帽子の隙間から垂れる銀髪。
まさに正しく幼女幼女している幼女だ。リア充クリーン計画にはもってこいの人選だろう。しかし――
「野々乃粉 土乃子ちゃんだっけ? このエアコン持てる?」
そう、幼女にエアコンを持てるのか?
これは我が輩が先ほど身を以て知ったことだが、エアコンは確実に幼女には重すぎる。
「ベンジャミンくん、ちょっと待ちたま――」
「ねえ、お姉さん」
「なあに? 土乃子ちゃん」
パートその1は軽やかに我が輩を無視すると幼女に微笑みかけた。
我が輩を呼んだくせに先にキャンペーンを始めていたりと、なんとも無礼なヤツだ。
「ほんとに、きびやっくもらえるの?」
「もちろん。丸々一匹よ」
「やったー! わたし頑張るね!」
「待て待て待て待て!」
「何ですか、店長。何もしていないくせに口を挟まないでくださいよ」
グサッ。
た、確かに準備とかその他諸々全部ベンジャミンくんに任せていたかもしれない。
しかし!
しかしだ!
「何だね! キビヤック一年分とは! 我が輩はそんなこと許可していないぞ!」
「店長、一年分じゃありません。一匹です」
「えーい、同じだ!!」
勢いのまままくし立てようとした我が輩の目の前に、ベンジャミンくんが待ったと手を差し出す。
ふむ、意外にも綺麗だ。
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