第1話 『 日常』

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久しぶりにみんなと話しているうちに教室も賑わってきた。 ガラガラッ 「あんたたちまた逃げたわね!!」 教室中の視線が入り口に集まる。 「だって早く学校に行きた…」 「だって面倒くさ…」 「だってもくそもないわよ!!!」 「すいませんでした」 「すいませんでした」 教室のドアが開いたとたん怒鳴ってきたこの女は山本秋(やまもとあき) 秋も俺たちと同じ施設で育ち面倒見がよく、みんなのお姉さん、いやお母ちゃん的存在だ。 今朝も後片付けをほったらかして出てきたらこの有り様だ…そんなに怒らなくていいじゃん!! 「大地、あんた今そんなに怒らなくていいじゃんって思ったでしょ」 「めっそうもございません」 (こいつエスパーか!?) とにかく俺たち二人は秋に頭が上がらない。 「あ、穴戸くん…お、おはよー!」 「おはよう、今日も元気だな」 雷蔵は微笑んでいる。 …なんなんだよこの差は
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