鈍感彼女と幼なじみと人気者と入学式

10/15
前へ
/389ページ
次へ
「それでは……」 なん組かも確認していないのに、私は彼の横を通りすぎようとした。 とにかく、直ぐにでもここから離れたい。 だけど、それさえも叶わなかった。 「……!?」 私が通りすぎようとした瞬間、腕を握られたのだ。 咄嗟に振り向くと、何故か向こうも驚いていて。 自分が何をやったのか気づくと、 「あ、悪い」 と言って、パッと手を離した。 「………」 余計、どうすればいいか分かんなくなった。 女の子達は、こそこそと誰?とかどういう関係?とか言っている。 相宵 夕夏梨、この人とはなんの関係でもありません。 えっと、どうしよう。 私が考えを巡らせていると、またしても男の人は口を開いた。 「あのさ!」 けど、その後の言葉は私の幼なじみである琴羽に遮られた。
/389ページ

最初のコメントを投稿しよう!

454人が本棚に入れています
本棚に追加