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徒歩で約2分。
そこに私の幼なじみの家がある。
私は幼なじみの家の前に着くと、インターフォンを押した。
ピンポーンと音が鳴ったものの、中に人がいる気配はない。
先に行ったのかな、と思い、その場から離れようとした、その時。
階段を勢いよく降りる音がしたと思ったら今度は勢いよくドアが開いて、
「悪い、遅れた」
私の幼なじみ、市田 琴羽(いちだ ことは)がいた。
いたはいいんだけど……。
「寝坊……した訳じゃないんだけど。って、何見てるんだよ。何、惚れちゃった?」
「琴羽……眼鏡して」
私がそう言うと、今さら気づいたようにあぁ、と言って、鞄から黒ぶち眼鏡を出した。
そして、すちゃっと眼鏡を掛けると“いつも通り”の琴羽になった。
「ごめん」
「いいよ。早く行こう。電車いっちゃう」
「ん」
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