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戻ってくれて、よかった。
心の中で安堵のため息を着くと、チラリと琴羽を盗み見る。
……やっぱり、“向こう”の琴羽は苦手だ。
「夕夏梨?」
「はい?」
「ぼーとして、大丈夫?」
私の顔を覗くように見た琴羽。
相変わらず、黒ぶち眼鏡がお似合いです。
「うん。寝不足なだけ」
そう言うと、絶妙なタイミングであくびが出た。
昨日は、何時に寝たっけ……と考えるも思い出せない。
そんな私を見た琴羽は、
「そっか。寝不足には気を付けろな」
と言って、微かに微笑んだ。
それを見て何故かそう言えば、琴羽って中学の時モテてたなと、思った。
中学の時は中性的な顔立ちだったのが、いつの間にか男の子らしくなっていた。
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