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そして、女の子の声が最高潮にうるさい場所に着くと、予想通り名簿が載った紙があった。
ただ、この騒ぎはなんだろう。
まるで、人気アイドルのライブか何かですか。
とにかく、直ぐにでもここから離れたいので、私は人混みに入って名簿を見に行った。
が、またしても予想外な出来事が。
人混みの中心にいたのは、イヤホンを着けた男の子が立っていたのだ。
それも、どこかで見た気が。
嫌予感を感じて、引き返そうとするも、
「あ、君、朝の」
捕まってしまった。
その言葉で微かに女の子の声が小さくなる。
「やっぱり!えっと……何さん?」
朝とは違って、ちゃんと制服を着ていた。
それより、同級生だったのか。
それより、何だ。女の子の視線がいたい。
「聞いてる?」
「………」
今の私は、冷や汗が垂れまくりだった。
どうすれば。
混乱する頭では上手くいい方法が浮かばない。
そんな私が出した答えは実にシンプルだった。
「人違いです」
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