第0話

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教室を出た柚希には、この二人のやりとりを知りようもなかった。 そして、佐野が起こすとんでもない騒ぎも。 柚木はまず、学校の屋上に向かった。たまに佐野が授業をさぼるのに利用している。 階段を登り、扉に手をかける。 その時だった。 「イヤンもう、佐野君ったら!」 「ハハハ、面白いだろ?」 そんなやりとりが聞こえた。 「本当に、いろんな子と?」 扉を開ける勇気のない柚希はそのまま立ち尽くす。 扉の向こう側には、 誰が居たのかも確認できてないのは確かだ。 つまり、柚希の好きな佐野君ではないという事実も。
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