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ピッピロー……アッポー!
またこのBGMかよ……今度は何なんだ?
【愛の繋がり】から【愛の絆】へランクアップ!
【愛の絆】愛の繋がりのチカラを備えている。さらに、お互いへの思いが強ければ強いほど、お互いの持つ力が強くなっていく。
俺の頭はゲーム脳になってるんですね、わかりたくありません。
今回チカラが増えたのは多分アレだな、恋人から妻帯者に肩書きが変わっちまったからだな。
それに結構タイムラグがあったけど……気にしないでおこう。
「ぶぅ…………分かったの。今は観光に集中するの」
俺の頭の中など知らないフーレスは、頬を膨らましていた。そんな仕草も可愛いと思えてしまうのは俺だけではないだろう。
「んじゃ、まずはこの国の城を見学しに行こうぜ。なんか観光名所みたいだし」
道行く人々の記憶を根こそぎ得てるから知っている。途中で知りたくないことまで知ってしまうが仕方がない。何故ならオフ機能が存在しないのだから。
「あの遠くに見える大きな城なの……?」
フーレスは俺たちが歩いている方向にある城を指差した。そこにはどれだけ離れているかは知らないが、相当大きいと思われる城が建っていた。
「そうだ。早く行こうぜ!」
俺はフーレスの手を引いて城へ…………境を弄ってすぐに行きました。面倒だったんで。
「ふぇぇ……すごく……大きいの……」
「その台詞、ダメ、絶対」
城の目の前までやって来たフーレスは、口をポカンと開けて城を見上げながらそんなことを言った。
その台詞を聞いた周りの男共の顔がフーレスに全員向いている。俺は無言でそいつらの視界の境を弄って、フーレスと俺を見えなくした。
余りに不快だったのだ。仕方ない。
「この城を造るのに100年以上かけたらしいぞ。そのお陰で魔術対策は万全らしいぜ」
「魔術……? 魔法じゃないの?」
フーレスが疑問に思ったようで、首をかしげながら訊いてきた。
「まぁ、俺達の世界の魔法と大差ないさ。でも、この世界の魔術には、詠唱破棄や短縮、無詠唱なんかは無いらしい。全部術式を唱えないといけないんだとさ」
「へぇ……それは面倒なの。なら魔法の方がいいの」
そうだな。魔法の方が圧倒的にいいな。
ていうか、魔法ってのは限られた世界しか存在しないらしい。限られたって言っても無数に有るんだけどな……でも、魔術を主流とする世界が圧倒的に多い。
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