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いやー、こういう時にこそ清々しいって言葉が似合うんだよな。今までスネ夫やジャイアンには何も出来なかったからなぁ。
間違って殺しちゃったり、要望通りにしてやったりと…………自分の好きなようには出来なかったからな。今さっきのは止められちゃったが、十分な罰を下せたと思う、多分。
「師匠……少し気になった事があるの……」
「何だ?」
正直思考が分かるので何を問いたいかは分かっているが、真剣そうな顔をしているフーレスに言葉を返す。
「見たところ、さっきの奴隷たちは全員処女だったの。何でなの?」
…………そう。フーレスの言う通り、ここにいた奴隷……いや、世界のほとんどの奴隷が主人に初めてを奪われたりしていないのだ。
「簡単な事さ……この世界の奴らは、奴隷を本当の道具として扱っており、さらに高尚な考えを抱いてるからさ」
「本当の……道具……?」
フーレスが疑問符を浮かべて俺に問い掛ける。俺はそれに頷きを返して、話を紡ぐ。
「この世界の人は、奴隷を人として思っていない。これっぽっちも人として見た事がないんだ。奴隷はナイフや包丁、テレビのリモコンなんかと同じ……ただの道具としか本当に思っていないんだ」
「…………高尚な考えって何なの?」
フーレスはこの世界の人々の価値観に顔を歪めた後に、二つ目の理由に関してを訊いてくる。俺はそれに少し嘲るように笑いながら口を開く。
「…………性行為は愛する人とのみすべきというところだ。俺らにとったら普通の考えだが、俺らの世界の悪人はそうとは思わないだろ? けどこの世界は、どんな悪人でも、どんなに女性が好きな人であろうともその考えが頭から抜けない。ましてやそれを破ろうとも思わないのさ」
決して法律とかで定められてる訳じゃないんだがな…………俺達で言う、人殺しはダメだ、の考えと全く変わらないのだろう。
この世界に来たときに、奴隷を路地裏に連れていこうとしている奴が居たが、あれはあの奴隷を道具とは思わず愛してるが故の行動らしいな。奴隷の方はこれっぽっちも愛しちゃいなかったが。
追って言うならば…………この世界は自分の愛を突き通す世界とも言える。だからレ○プやその逆もあり得ない数あるらしいな。
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