オタクに人権は無いんですか!?

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「はろはろー」 俺が天界に存在する、ある場所に来た瞬間にそう声を掛けられた。俺は表情を一切変える事なく声がした方へと向く。 「よくも俺の世界を壊してくれたね。マジで万死に値するよ」 「そうだそうだ! ご主人様の言う通りだ!」 椅子に座っている黒髪のイケメンと、その椅子役になっている首輪をつけた残念な銀髪で長髪なイケメンがいた。 ふむ…………え? 銀髪の方が最高神なのかよ。上の方は奴隷世界の世界神、スパルタクスだし。 「…………で? 万死に値するからどうするんだよ?」 俺はそんな戸惑いを表に一切出さずに淡々と問う。そんな俺にスパルタクスは不敵な笑みを浮かべて口を開く。 「お前を殺してまた俺の世界を創るのさ。あの素晴らしき世界をね…………」 「そうだそうだ! あの世界は素晴らしいんだ!」 キャラが濃いな…………。しかも最高神の方は名前がまだ出てないし。世界神の方が目立つって誰得だよ。 「あんな世界が素晴らしい? 人の自由という権利を簡単に奪ったり奪われたりする世界が?」 「ああ……人が絶望に、快楽に、憎しみに、安心感に、悲壮感に、満足感に、劣等感に、悔恨に…………あらゆる感情に溺れる姿を見るのが大好きなんだよ、俺はね」 「そうだそうだ! ご主人様の言う通りだ!」 悪役にデフォルトで付いているゲス顔を俺に見せるスパルタクス。あれを本心で思っているのが心底気に入らない。 「はぁ…………お前は他に世界を創ったのか? そこの椅子っぽい最高神」 「(な、何で俺っちが最高神ってバレてんだ……?)ふ、ふん。あれ以外の世界は創ってはいけないとご主人様に命令されたんだい! あれだけだ!」 かなり内心焦ってやがんな。思考が分かるのはこういう時は便利かもしんない。 「そうか……まぁ、知ってたけど」 「なら何で訊いたんだよ!?」 相手の記憶も全て分かるから知ってて当然。会話って大事だと思ったから訊いただけ。
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