一日限定! セイムがまたもや教鞭を握ります!

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俺は思う。 世界とは敗北によって満たされている。あらゆる戦い方がこの世にあるが、それには必ずや勝者と敗者が存在するのだ。 ジャンケン、遊○王、フェンシング、ヴァンガ○ド、麻雀、デュ○マ、紙相撲、バト○ピ、さくらんぼの種飛ばし、ヴァ○スetc…………。 様々な競技が存在し、時には何かを賭け合って勝負するのだ。そこでも確かな勝者と敗者が区別されてしまう。 しかし、敗者が負けて激しく悔しがる姿を勝者に見せつけたとしようではないか。それを見た勝者は、果たして優越感に浸れるであろうか? 答えは賛否両論だ。 鬼畜でドSな性格を持つ者ならば、その悔しがる姿を見て、恍惚な笑みを浮かべて悦ぶであろう。 それ以外のピーポーは、その悔しがる姿を見てしまうと、自分が勝っても良かったのかと葛藤してしまい、決して優越感に浸れることはないだろう。そして、戦いに勝って勝負に負けたような気持ちになってしまうのだ。 ほら、まさしく賛否両論だ。ほとんどのチート主人公ならば、前者の考えを抱いているであろう。実際俺もそうなのだから。 しかし、そんな考えをも塗り替えられそうな現実に、今俺は直面している。 数多のチートを駆使して、あらゆる勝負を勝ち抜いてきた俺がそんな現実という名の壁に直面している。 「ふっ…………」 「ぐっ…………!?」 相手が俺を鼻で笑い、俺はそれに少し顔を歪ませる。そして俺は前を見据えてどんな小さな挙動をも見逃さないように集中する。 しかし、相手は俺の動体視力をも越えたあり得ない速度で動き出して近づいてくる。そして俺は─── 「まだまだですね、セイムさん」 「クソぉぉぉぉぉッ!! また負けたぁッ!!」 ───スマ○ラでマリアさんに千回目の敗北を喫した。
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