一日限定! セイムがまたもや教鞭を握ります!

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何で勝てないんだよ!? 俺ってあれだよね? もうチートをも越えた存在になったはずだよねぇ!? 確かに公平にするために、チカラは一切使っていない。絶対者のチカラを使えば絶対に勝つことが出来たりするからだ。 でも、動体視力もチートを越えているんだぜ? もう光速を超えても余裕で見えたりするんだぜ? なのに何故勝てない。 「それは……セイムさんが坊やだからですよ」 「意味が分からないし然り気無く心を読まないでほしいなぁ!?」 心を読むのは俺の特権の筈なのに…………はぁ。 同一化でゲームの技能も同じになっている筈なのに勝てない。同一化でマリアさんの思考が分かっている筈なのに勝てない。 何故か全て寸前で対処されてしまうのだ。もうマリアさんに勝てる気がしない。 その気になれば自分をも超える技量を持つ存在に俺がどう勝てと? 「てか、いつの間にか朝になってるし……徹夜で挑んでも勝てないとは……」 マリアさんと勝負を始めたのは昨日の夜から。そこからぶっ通しで戦いを挑んでいたのだ。 俺はコントローラを置いて立ち上がる。マリアさんも俺と同じ行動をした。 「俺は少し町を歩いてこうかな……マリアさんはどうすんの?」 「私は受付嬢の業務がありますので……それではセイムさん後程、会いましょう」 マリアさんはそう言って俺に軽く頭を下げると、カウンターの方へと歩いていった。俺はギルドの扉を開け放ち、外へと繰り出した。 「あぁ……フーレスに逢いたいなぁ……」 俺は、早朝なので誰も居ない大通りを歩きながらそんなことを呟く。 そう、俺は今フーレスと全然会っていない。会おうと思えばいつでも会えるのだが、俺は自粛している。 フーレスはただ帝国でやり残したことを全て終わらせに行っただけ。つまり、俺と一緒にリュート王国で暮らす準備をしている訳だ。 ……俺もフーレスも互いに依存しすぎだと俺は感じた。だから、少しは離れることに慣れておこうかと思って俺はフーレスと会うのを自粛している。 フーレスにも帝国での事を終わらすまでの間は俺に会わないように釘を刺しておいた。かなり苦な事を強いてるかもしれないが、俺はこれも必要な事だと感じたので実行している。
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