一日限定! セイムがまたもや教鞭を握ります!

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「……ねぇ、その子は何?」 横で正座しているユウが若干躊躇いがちに訊いてきた。訊きたかったが、訊いたら迷惑になるかもしれないと危惧して思いきって訊いたらしい。 「このクラスの生徒。個人的にはペットにしたい可愛さ」 「パパの体暖かいよー……」 「否定しないわ。寧ろ激しく同意だわ」 お、珍しく本心を口に出したか。あまりにもヒリエが可愛すぎて無意識に口から出ちゃったんだな……。 「ねぇ……アンタ、どうやって絶対神様に勝ったのよ。アンタの権能じゃあ絶対に絶対神様に勝てないのに……」 しばらく皆の練習風景を見ていると、横で体育座りになったユウが訊いてきた。俺はまだ気絶しているヒリエを撫でながら驚いたように答える。 「おいおい、"元"旅人だからって死んだリーダーの事を気にする必要なんて無いんだぜ? むしろお前はアイツを蔑ろにしてただろ?」 「うっ……そうだけど……」 そう、実はコイツ旅人に所属していたんだよな。しかも階級が絶対神の右腕だったらしい。権能の相性で俺は瞬殺出来たが、クソ爺とかが相手ならば権能を取って普通に圧勝できる強さは持ってるからな。 ユウは少し気まずそうに顔をそらした後に、何か開き直ったかのように胸を張って口を開く。 「ほ、ほら! アイツがどんな不様な死に方をしたかが気になるだけよ! だってアイツの右腕だったしぃ!!」 「あぁ、俺って今誰の心も分かっちゃうから、お前の思ってることとか丸わかりなんだよな。別に嘘なんか吐かなくていいぞ」 「べ、別に嘘なんかじゃないんだから…………」 うわ、ツンデレの定番。誰に対しても素直になれないが発動してまっせ。もう一回だけ言おう、現実のツンデレはうざいだけ。 「あー、はいはい。絶対神の事が好きだったんだな。赤○さんラブってか?」 「ち、ちちちち違うわよ! ぜ、ぜぜぜ絶対神様なんてただの憧れなんだからね!」 「その憧れが恋心なんだろうが……さっさと認めやがれよ」 「絶対に認めないんだから!」 またまた言う、現実のツンデレは(ry
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