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「ま、とにかく。質問してきな。色々と訊きたかったんだろ?」
「うん、まずは───」
色々と訊かれたが、内容は特記する事ではないので割愛する。
「そっか……君は波乱万丈な人生を送ってるんだね……」
話終えた俺はリンゴを齧り、マグは見るからに高級な椅子に背もたれる。俺は客用の椅子に座っているのに……これが格差というものか。
「そうでもないさ。確かに端から見れば波乱万丈かもしれないが……運とチカラがあるから、俺には大した出来事とは思えなかったんだよな」
流石に絶対神の時はもう終わりかと思ったけどな。輪廻には本当に感謝してもしきれないな。輪廻はあのあと、地球で普通の子供として輪廻転生したからな。
「それでも……君が努力して勝ち取ったチカラじゃないのかい?」
「へっ。努力してないからチートって呼ばれるのさ。気が付けばチカラが手に入る……望めばチカラが手に入る……だからチートって呼ばれるんじゃないか?」
少なくとも俺はそう思っている。
神様を脅してチートを手に入れたり、敵から奪って手に入れたり…………チートだって最初は拍子抜けするほどすぐに手に入るものなんだ。
でも、その中でも強いチート達は、長い年月修行とかしてるはず。強くなるための努力をしてるはず。越えたい壁を越えるために試練とかに挑んでるはず。
俺は確かに10億年ほど修行したが、その努力の結果である権能は消え去ってしまったし、【境】になったのも簡単だったし。
すごい痛みが体を襲ったけども。
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