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「―――馬鹿じゃないのか!」
力の限り叫んだ言葉に、
目の前で血まみれのまま倒れているお前は、儚げに微笑んだ。
「馬鹿、言うな、よ…。勝手、に体が…動いたんだ…仕方ないだろう?」
「…っ、お前は…!」
どうしてそう、お人好しなんだ!
お前が庇ったあいつは、俺たちを裏切ったのに。
それでも仕方ないと、言うのか!
「………泣くなよ。涙な、んて…君には似合わない」
「……………っ!」
スルリと、頬を伝う涙をお前が拭う。
今、死にそうなのはお前なのに。
静かに微笑んでいるのが、見ていて耐えられない。
どうしようもない、この気持ちはどこにぶつければいい?
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