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「……っ、もう、しゃべるな! 傷に障る」
「何、言ってるの…。僕…っ…が助か、る可能性…なんて、無い…に等しいのに」
「うるさい。絶対死なせない。俺の命をかけてでも、絶対死なせない」
「…ははっ、それ…意味ないじゃん…君が居なきゃ、生きて、る意味…なんて…無いのに…」
だんだんと衰弱していく体。
息が浅くなって、血が溢れる。
だけど、俺には何も出来ない。
―――何も、出来ない。
「そんな顔…しないで」
再び頬に伸ばされた、力のないお前の手が、愛おしそうにそっと撫でる。
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