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気が付くと、私は真っ暗な闇に居た。真っ暗と言っても、しっかりと光はある。
…それ以外が真っ暗なのだ。
鈴祢「オギャ、オギャー!!」
声が出ない。どうやら本当に転生してしまったらしい。
…赤ん坊からスタートって、私に羞恥プレイを楽しめっての?ふざけんじゃないわよ。
神『ん?なら6歳になるまで記憶無くしとこうか?ww』
…念話って奴?…まあ、お願いするわ。授乳なんて恥ずかしいし…。
神『了解wwwwんじゃ、6歳になったら声掛けるからwwww丁度目が完成する頃だしwww』
赤ん坊は6歳になるまで目が未熟で、あまり見えないと聞いた事があるが、正にこの事だろう。
神『んじゃ、またwwwwwwwww』
頭に直接聞こえていた声は、だんだんと消えていき、同時に私の意識もまた、別の闇に沈んだ。
6年後。
早い?知らないわよ。
変態に目覚めさせられた私は、現在進行形で地下室へと向かっていた。
改めて自己紹介。私はスズネ・バリエンタリィ。絶属性を自由自在に操るバリエンタリィ家に生まれた。名前が適当なのは仕様だ。
先程も言ったが、現在私は魔力と属性を調べる為に地下室へと向かっている。
スズネ「お父様、ただいま参りました!」
それにしても子供の振りをするのは疲れる。本当の自分を隠して無邪気を演じなければいけないのだから。
父「んぁ?あ、来たのか。それにしても1人で来るなんてな。迷わなかったか?」
スズネ「全然!」
父「おお、そうか。んじゃ、始めるか?」
スズネ「はい!」
父に催されて奥の2つの水晶玉の前へ。
スズネ「ここに魔力をいっぱい送れば良いのですか?」
父「ああ」
まずは魔力を測る水晶玉に手を置き、魔力を軽く流す。体がポワッと温かくなり、水晶玉が光り輝く。
少しすると光は収まり、代わりに数字が並んでいた。
父「魔力量、10000。よし、スズネは今日から絶家の主な」
絶家とはバリエンタリィ家の別の呼び方だ。しかし、今お父様はとんでもない事を口走った。
スズネ「えっ!?絶家の!?」
これにはさすがに驚きを隠せなかった。6歳児に絶家の主を任せると言うのだ。堪ったもんじゃない。
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