プロローグ

2/2
3903人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「俺、長生き出来ないみたいだから」 「な…何を言ってるの?」 「だからさ…元気なうちに お前をたっくさん抱いてあげる」 笑いながら言った彼。 けれどその瞳はとても 嘘をついているようには見えない。 「本当なの…?」 「うん、ホント。 だけどさ…ひとつだけ約束して」 「…何?」 彼と私の間に、響くのは さわさわと流れる川のせせらぎ。 傾き始めた夕陽に照らされた彼は オレンジ色の微笑みと共に、 残酷な言葉を落とす。 「天国で結婚しような」 ──それが彼と私の始まりだった。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!