現世幻想譚

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   <グシャノアユミ> 散る 散る 舞散る。 降る 降る 降り積もる それは桜 それは落葉 それは人の心の陽と陰 散り往く意識 降り積もる悔恨 その朽ち葉を踏みしめ歩むモノ それらは名を持たざる存在 それらは名を探し 意味を求める存在 すべからく これ 「人間」であること それがこの世界の真理 ここは暗く明るい道 標すらなくただ彷徨う 迷い 戸惑い 辿り着くは 無限に広がる枝葉の内のただ一つ それが全てだと信じ それが間違いであると思いもせず 歩む 歩む 歩む 終わりの待つ そこまで 愚者達の行進は 絶え間なく。
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