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彼の・・・
お父さんの最後の願い・・・
その話を聞いた彼女は、諦めにも似た表情で。
「やっぱり、最後はお世話になった看護師さんに・・・白衣の天使に看取られたかったんでしょうね」と呟いた。
私はその言葉に首を振り
「いいえ。お父さんが-俺の天使-と書いてあったのは梨花さんのことでしょ。梨花さんが、必ず来てくれるって信じてたんじゃ無いですか?」
どうして・・・?
そんな言葉で私を見つめながら
「私は・・・白衣の天使じゃ」
と言いかけた彼女の言葉を遮った。
「私たちの白衣はブルーですし・・・」
そこまで言って、彼女の立ちすくむ白いワンピース姿に微笑みかけながら
「・・・今日の梨花さんは、ホントに白衣の天使ですよ」と。
彼女は岡本さんの傍に駆け寄り
「おとうさん・・・」と、手を握り締め、嗚咽を抑える事もなく泣き崩れた。
少し甲高い機械音のリズムは徐々にスピードを落していく。
父と娘の再会を見届けさせてくれた彼の顔は、とても穏やかに・・・
静に旅立って逝った。
ね。岡本さん・・・やっぱり一人じゃなかったでしょ
願い・・・叶ったよね。
ホントのwhite angel、来てくれたね。
ちゃんと愛されてたよ。
end
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