破章

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部屋から出ると、すでに謎の人物の姿は見えなかった。 しかし、空達が使っていた部屋が突き当たりの部屋である以上、謎の人物が逃げる方向は一つしかない。 カラオケ内の廊下を駆け回る空。 ほとんどの部屋が空き部屋なので扉が開放されているが、中にそれらしい人物は見当たらない。  もう中にはいない…?だとしたら……! そう考えた空は入口付近まで走る。 そして、ほんの僅かな一瞬、カラオケの入口のガラス越しに黒い影が見えた。  やっぱり…! 空も外に出ようと考えたが、このまま追ってもフリータイム終了までに戻って来られる保証は無い。 若干ジレンマに苛まれたが、空はすぐにある事を決意した。
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