兄ちゃん、…………

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―――――――… ――――― ―― 「―…る」 「譲」 「―ハッ!? な、何?」 いかん。 数週間前の事を悔やんでたら、ご飯食べながらボーッとしちゃったよ。 琢磨と若宮が、そろって訝しげな顔をしてる。 「大丈夫か、譲。」 「最近、上の空の事が多いで?具合でも悪いんか?」 「あ―…ううん、平気。 ほら、兄ちゃん就活中だから、大丈夫かなと思って」 二人が揃って目を見合わせる。 あれ、辻褄合わないこと言ってるのかな。 「大丈夫か…やと…?」 「いつもの譲だったら、 兄ちゃんだったら百発百中☆大丈夫、大丈夫~☆ とか言ってるところだよ?」 「ちゅうか… お昼中に鬼電、セクハラメールしないとか… どっか具合悪いんとちゃう?」 「……… 大丈夫だよ。俺、先に戻るね…」 どうしちゃったのかな、俺… 今はなんだか… なんでだか… 兄ちゃんに、好きって素直に言えないよ。 .
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